キャバ嬢を愛して5

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2009-11-07

ちょっとした誤記が生んだ伝票上のゴタゴタに巻き込まれ、終電を逃してしまいました。
けっこう頭に血が登り、上司と盛大に喧嘩してしまったこともあり、まだ興奮状態が続いています。
そのまま家に帰る気にはなれず、たまにはひとりで呑んで帰るか、と、センター街の外れにあるショットバーへと向かいました。

そのバーはカウンターのみの小さな店ですが、バーボンの品揃えの充実した「いい店」です。
400本近いバーボンがずらりと並ぶバックバーは圧巻のひとこと。今ではもう呑めないオールドボトルも数多く取りそろえています。
かつて、新入社員だった頃、今はひとりも残っていない同期たちと、青臭い夢や将来像を語りまくった店でもあります。
仲間が減るたびに足が遠のき、今では半年に1~2度程度しか顔を出さなくなりました。

重いドアを開け、薄暗い店内に入ると、口ひげのマスターが嬉しそうな顔でおしぼりを持ってきてくれました。
他に客はカップルがひと組だけ。

「あいかわらず静かで

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