ささやかなこの人生

開く
2009-07-24

中学生の時に同級生でかなり貧乏と思われる女子に出会った。 
その子は意外と顔立ちが可愛くて、頭もそこそこ良かった。 
学校ではおとなしくて目立たなかった。だから話したこともなかった。 
気になり始めたのは、日曜日に町の図書館で彼女を見てからだ。 
2学期に入ってすぐだと思うけれど、彼女は制服で図書館に来ていた。 
閲覧テーブルで観察すると、爪は真っ黒で髪の毛は脂ぎっていた。 
きっと風呂に入っていないのだろう。シャーペンを使っていなくて、 
短めの鉛筆と小さくなった消しゴムで、一生懸命何かを書いていた。 
白い夏の制服は、襟部分がすっかり黄ばんでいた。 
今まで気が付かなかったけれど、かなり大変な生活をしているのかなと思った。 
何だか興味が出てきて、帰りにつけてみることにした。 
彼女の家は図書館から自分の家と同じ方向だった。彼女は徒歩、自分は自

お勧めの体験談