震災後の理不尽な話

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2012-02-21

 200人以上の遺体が発見された仙台・若林区の荒浜海岸から5kmほどの場所に宮城刑務所・仙台拘置支所がある。この震災で、塀の中はどうなっていたのか。

 刑務所庶務課の担当者はこう説明する。

「建物が倒壊して受刑者が逃亡し、社会不安が広がることのないよう頑丈に作られているので、ここら一帯では一番安全な場所といっていい。津波の浸水も建物損壊もほとんどありませんでした」

 若林区の避難所では大勢の人が寒さに耐え、ままならない物資補給のため、わずかな食料で耐乏生活を強いられている。そこで気になるのが、受刑者たちの食生活だ。

「所内にはコメや市販の食料品など大量の備蓄がありますので、通常時と変わりなく、栄養バランスが偏らないように気を遣ったメニューを提供しています。毎日きっちり3食出していますよ」(同前)

 法務省の規定によると、受刑者は性別や日々の作業量に応じて、1日1100~1700kcalになるようメニューが設定されている。宗教上の理由や食習慣を考慮した個別メニュ

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