改めまして。よろしくねお姉ちゃん
2011-04-13
全国を飛び回る仕事で殆ど家に帰ることがない父に代わって僕たち二人の子をほぼ一人で育ててきた母。どんなに仕事が遅くなっても
小学生だった僕と中学生の姉の世話だけは欠かさなかった。
本当に僕たちによくしてくれた。特に末っ子の僕を溺愛し、僕も母の愛に浸っていた。要はマザコンだ。
それ故に小学生の僕にとって母の病気は衝撃だった。悪さをすると怖くて煩かったけど、いつも優しかったあの母が、
病室の真っ白なベッドに横たわり、青白いやつれた顔と掠れた声で僕に話しかけた時僕はその場に泣き崩れてしまった。
僕を支えていた母の大きな存在が消えかかるろうそくの炎のように薄弱化した。
だが僕にはどうすることもできなかった。ただ、母に泣きつくしかなかった。
病院から帰宅しても、僕は心配で何も手につかなかった。
しかし小学校だけは、母が普段通りの生活を続けろときつく僕に言い聞かせていたのと
小学校の近くにある中学校へ通う姉が無理やり手を引っ張って連れていったお蔭で休むことはなかったが、
宿題や遊びは