ニートの僕が結婚した 会社の大勝負を引き受ける補足

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朝が来た。予定の反応時間が過ぎた。社長が買ってくれた冷凍機は一晩のフル稼働に耐えた。僕は恐る恐る反応釜ののぞき窓から内部を見た。わずかに過剰にしていたLDAの淡黄色の透明な液が回っているだけだった。僕は反応の成功を信じてガッツポーズをとった。
現場に非常事態が出た時のために泊まってくれていたおじさんたちが起き出してきて「先生。上手くいった?」「自分たちは次の指示を待ちます。」と言ってきたので僕は「冷凍機半速に。サンプルを抜いて大至急HPLC分析を。」と指示を出した。
おじさんたちは無言でてきぱきと動いて15分後にはHPLCチャートを持ってきた。そこには目的物のピーク1本だけが出ていた。「反応は大成功だ。後処理をして生成物を取り出そう。」というと現場に歓声が上がった。「やっぱり先生が出来ると言った物は出来るんだ」と言われた。
僕は「メタノールを入れて反応を停止して溶媒減圧濃縮後に種結晶をシーディングして生成物を結晶化して落としてろ過して、後はいつも通りだ。」と指示を出すとおじさんたちは手分けをしてメタノールを加える人。減圧濃縮用にラインを組み替える人。加圧ろ過機を準


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