妻を常務に預けてしまった(4)
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妻を常務に預けてしまった(4) 龍 晃一
福岡空港に迎えに行くとお土産をどっさり買ってきた雅美の姿があった。私の見ている前で常務と雅美が抱き合ってキスをしていた。そして二人は別れて行った。そんな姿を観ていたことを知らないかのように笑顔の雅美が近寄ってきた。
「お帰り、楽しかった----」
「とっても楽しかったわ----」
「ママ、お帰り」
「雅子にもお土産を沢山買ってきたよ」
「ママ、ありがとう」
雅子にはママが男と旅行に行っていたとは口が裂けても言えないことである。あどけない姿をとても可愛く思った。子供にはこんな辛い思いをさせたくないと思っているが、雅美の表情は笑顔で逢瀬を満喫した来たとしか思えなかった。それも仕方のないことである。どんなことにせよ、楽しく振り舞うことが前向きに生きることになる。
その方が私も嬉しかった。グアムのお土産で喜ぶ雅子を健やかに成長させなければならないと思えた。
その夜、雅美の裸体を確認した。
結婚式の写メールでヘアが剃られたこ