金魚鉢の女 2
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しかし、目前の金魚には腕があり、半そでのその先端には指がある。
小さい手だった。
一方小さめの口が動き何か話していた。
「少女のような」というよりはもはや「童顔」である。
伏し目がちのまぶたからは、目が何を語っているのかは読み取れない。
が、着席した女が手振りを交えて説明しながら見上げた視線の先には、見知らぬ中年男が立っていた。
訴えるかのように何かを説明をする女に、しかしカードのようなものが突きつけられた。
この無慈悲なしかも機械的でつめたい一連の状況はいったい何のシーンだろう。
女は立ち上がりこっちを向いた。