妻から女へ 2
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失業して一年近くなる蓄えもそろそろ、底をついてくる。子供は既に自立していて何一つ心配ないが自分達の将来の事も考えなければならない。しかし、明日の夜から夜の仕事に行く妻の横顔から見ると決心は固いようだ。何も言えない自分の力無さを知り情けないと思った。また何か妻を見ていると生活のために働きに行くという意気込みは感じられたがどこが何かを期待しているようにもみえた。『いつからそんな仕事を探してたの?』やや強い口調で『前からよ!あなたに負担をかけたくなかったから言わなかったけれど』友達の紹介という。誰と聞くと短大時代の友達の名前を言った。確か二人の結婚式の披露宴に出席してくれた稲田 様だ。友達には電話やメールなどで近況を語り合ったりしているようだが、プライベートな事まで打ち明けるものだろうかと疑問に思った。出勤初日は少し早めに出掛けなければならないということで車で送ることにした。妻は昼過ぎくらいから落ち着かない様子だった。衣装は自前でいいそうだ。しかし、ジーパンはNG。スカートでなければならないそうだ。それを聞くとやはり、男相手の仕事に妻は行くのかと情けないやら嫉妬する気持ちがわいてくる。4時前に出かけるというので