歩兵義昭 (2)
2022-04-24
栄興3年4月。義昭たちの小隊は占領したM県で、指令部からの指示で合流地点に向かっていた。
農村のあぜ道を移動中に、こちらを見てる女性を発見した。ブレザーの制服を着た女学生のようだった。
「乾隊長、あの民間人、こっちを見てます。」
「私も気づいている。もしかしたら、西側の諜報員かも知れぬな。」
「尋問しよう。逃走するようなら、迷うことなく……狙撃しろ。」義昭たちはその女性に接近した。
「すみません。ちょっと良いですか?」
乾隊長はまるで、ナンパかキャッチのように女性に話しかけた。女性は身長は165センチはあり、肩まであるストレートヘア、胸が服の上からでも分かるくらい大きかった。
「あの、この辺りの住民ですか?」
「あ、はい。」
「我々を見てたようですが。」