黄金のひだり
2012-02-01
左利きだった彼女が、事故で左手(手首のちょっと上から先)をなくしてしまった。
彼女はしばらく泣いて過ごして、だいぶ落ち込んでた。
俺もショックを受けたけど、不謹慎なことに、挽回できるチャンスだとも考えてしまった。
彼女の両親が俺のことをあんまり良く思ってなかったから、彼女が障害者になっても変わらず付き合えることをわかってもらえれば、見直してくれると思って。
「僕が一生彼女の左手になります!」
とか言ったら思った以上に、彼女もご両親も喜んでくれた。
よく考えたらこれってプロポーズだった。一生なんて言っちゃったから。
でも承諾してくれたんだからオッケーオッケー。
もともと両利きに近かった彼女は、右手で大概のことは出来るけど、右の脇毛を剃るのは俺がやることになった。
あと彼女がもっぱら左手でやってたのは、文字を書くのと、もうひとつ。
俺が彼女の左手になると言ってしまったので、彼女がいつもおもに左手でしてくれた手コキが、俺の役目になってしまっ