夜伽の里
2010-09-20
司馬遼太郎の「国盗り物語」の中にも「夜伽」の話は登場するが、昔の日本の山奥の村では人の行き来が少なくて、どうしても狭い範囲での結婚が多かった。それが続くとその子孫の血も自ずと濃くなってくる。血が濃くなると遺伝子的によくないことは当時でも経験則からわかっていたらしく。そのような村では、ある制度があった。それは、「夜伽」と呼ばれていた。
旅人が村で宿をとると、村の若い娘が夜、添い寝をしてくれる。その娘を気に入れば、関係を持てばよいのである。その結果、子供ができれば娘は未婚の母となるわけであるが、そのような村では、外からの血が入った子供として母子を大事にし、分け隔てなく子供を可愛がりみんなで育てたらしい。
何故こんなことを書くかというと、俺も似た体験をしたことがあるからだ。もう10年近く前だが、19歳の俺は、バイトで金を貯めてはオフロードバイクで旅をしていた。ある日、とある地方の林道を走っていて道に迷いガス欠寸前で、山間の集落に到着した。季節は初夏であったが、その集落に到着した時は、日が暮れてあたりが薄暗くなりかけの頃だった。この地方には、平家の落人村と呼ばれる村