月下囚人

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『月下囚人』

                    作;黒い月

 月の光の下で、私は自分の身体を抱き締める。

 肌寒い外気が私の肌を撫でるように通りすぎた。
 それだけのことなのに、私は思わず強い喘ぎをあげてしまう。
 人々が寝静まった時刻。
 静まり返った路上に響く自分の喘ぎ声に、私はさらに身体を震わせて感じてしまう。
 そんな状況ではないと頭ではわかっていても、身体が快感を覚えるのが止められなくて、私は手を股間に這わせた。
 外気に触れて普通なら乾く筈のあそこが、じっとりとした湿り気を持っていることを指先に感じる。
 もう片方の手で胸に触れると、膨らんだ乳房の上で完全に立ってしまった乳首から、痺れるような快感が走る。
 そのまま自慰に耽ってしまいたいほど興奮してしまっていたけど、片隅に残っていた理性を総動員して辛うじてその欲求を封じ込めた。
 


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