ひどい話

開く
2009-08-02

 もう20年以上前の事でオンボロアパートで一人暮らしをしていた時の事だ。 
 安月給で金は無かったが無いは無いなりに何とか喰ってはいけた。
 隣の部屋には50代くらいのお父さんと小学2年生の女の子が暮らしていて、お父さんとは会えば挨拶する程度だったが娘の陽子ちゃんは仕事から帰ってくるといつも共同スペースの洗濯場で洗濯をしていたので、会う機会も多く、良く話はした。
 いつかの夕方「今日はお父さん遅いの?」「うん」などと会話をしてたら俺の腹が「グーー」
「あれ?お兄ちゃんお腹空いてるの?」
「まあね」
ちょっと待ってて、と言うと部屋に入り、まもなくして 形の「いびつ」なおにぎりを持ってきてくれた。味も何も無いおにぎりだったけど俺はありがと、と言ってたいらげた。
 それから、彼女と会わない日が続いた。どうしたのかな、と思う程度で気にはしなかった。
 ある日、仕事から帰ると救急車が止まっていた。
 何だ何だと覗いて見る
「何かあったんですか」駆けつけてた大家さんに聞く

お勧めの体験談