人口わずか十七人の南西諸島の孤島をリゾート化しようと、観光会社の青年、敏夫が島に赴任する
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秘祭(新潮文庫)石原慎太郎(著)
人口わずか十七人の南西諸島の孤島をリゾート化しようと、観光会社の青年、敏夫が島に赴任する。
前任者が事故死した為だ。
島の和やかな雰囲気や、島唯一のいい女、タカ子に魅了され島に惚れ込む。
タカ子も敏夫が気にいったようで、二人は即、獣のように愛を交わすようになる。
社命で赴任したとはいえ、仕事らしい仕事はせず、タカ子とセックスばかりしている敏夫だが、島で生活していく内に、段々と島のタブーが見えてきた。
まずおかしいのは、檻に入れられている男、ミノルの存在。
言葉は発っせず、原始人のような風貌で獣のようにウーウー吠えているだけ。
島の人は
「ミノルは頭が弱くて乱暴することがあるのでね」
とあっさり言うが、明らかに異常な光景だ。
さらにある晩、漁に出た敏夫が見たのはタカ子が他の男と交わっている姿。
タカ子に問い質すと