うたがい1

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2019-05-08

お盆が近いせいか、社員もまばらなオフィスはどこか空気がゆるんでいる。 
窓の外には変わらぬ鈍色の街並み。 
オフィスの向こう側では後輩OLが小声で私語を交わしていて(たぶん休暇の話だ)、 
暇そうな課長も不機嫌そうにそちらばかり睨んでいる。 
両隣の同僚は休暇中で、PCのモニタと書類の束がうまく私の姿を隠している。 
誰も、私を見ていない。 
「ンッ‥‥」 
(あ、ダメ、声が出ちゃ‥‥) 
ゾクンと四肢を犯しぬく被虐の波に鼓動が止まりかけ、私は大きく息を喘がせた。 
どっと冷や汗が流れ、息を殺して肩でオフィスの様子をうかがう。 
大丈夫。 
まだ誰も、倒錯した私の遊戯に気づいていない。 
ランダムな振動で淫らに私を責めたてるのは、浅ましく男を模したバイブレーターだ。 
会社の制服の下、かすかに波打つス

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