この歳になって
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僕はある財閥系企業に勤めている。入社以来仕事ばかり馬車馬のようにこなして行ったら実績溜まって56歳で取締役にされてしまった。本当に仕事以外取り柄が無い。会社に個室とパソコンが与えられたが、慣れたもので仕事なんか定時以内に終わってしまう。でも下が頑張っているのにさっさと帰るわけにもいかず、余った時間は部下の相談、よろずごとに乗っている。もちろん秘密厳守だ。
僕は気さくな方だ。都内に家を持っているから電車で通勤すると言っても人事がセキュリティの問題ですからと車で送迎して定期券をくれない。仕事の邪魔になると女性を遠ざけてきたので結婚も恋もせず貯金もあるので部下たちのために使っている。女の子にはおいしいケーキを、そして若い社員たちには酒や御馳走をふるまっている。最近の若い者は義理堅いというのかそんな事をしていると僕のところに仕事を回さない。
おかげで時間が出来るのでネットサーフィンしている。色々なサイトを見て回るのは面白い。会社はそんな僕に高級高性能なパソコンをあてがって実務をこなす若者にエントリーマシンを与えている。そこでパソコン仕事が早いという社員とパソコンを交換した。彼女は高性能