飛鳥坐神社で行われる天下の奇祭「おんだ祭」
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二番太鼓を合図に第二部の祭事の演技者が参道から上がってきて舞台の奥に並んだ。黒門付きに赤い蹴出しもなまめかしいお多福と、チョンマゲのボテかつらに、印袢天という異様な姿の天狗、それに介添えの翁である。
突然、天狗が舞台の中央に立つと、一尺ぐらいの竹筒を股にあてがい、両手で握りながらグルグル回し始めた。それが勃起した巨大な男根を想像させ、参拝者の笑いを誘った。参拝者の中には若い女性も多い。見ていると、別に恥ずかしがる様子もなく、アハハと大声をあげて笑っていた。
やがて、お多福と天狗は宮司と神職の前に山盛りに盛った飯の膳を差し出した。「鼻つきめし」と言う。今ではすっかり廃れてしまったが、「鼻つきめし」は古い婚礼の形態だったようだ。天狗は盛られた飯に、股間に挟んだ竹筒から酒をつぐ仕草をする。畏まって端座する神官たちの鼻先で行われるこの「汁かけ」の珍妙な仕草も笑いを誘う。
次いで、舞台の中央にゴザが敷かれる。天狗がゴザの上に座ると、お多福に横なるように誘う。お多福はモジモジして