お水ちょうだい

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2012-08-15

これは母方のバアちゃんから聞いた、バアちゃんが幼少の頃に体験したという話。 

バアちゃんは3人兄弟の末っ子で、兄と姉がいた。 
兄とバアちゃんは元気そのものだったが、姉は生まれつき身体が弱くて毎日病床に伏しており、
衰弱の為か声も出にくい為に用があると家族の者を鈴を鳴らして呼んでいた。 
しかし両親は共働きで日中は家におらず、姉の面倒は妹のバアちゃんがしていた。 
看病と言っても幼少の為に出来る事は大した事がなく、水や食事を運ぶ程度の事だったらしい。 
姉の病状は回復の兆しも見えずに痩せ細り目は窪み、それはまるで死神のように見えたそうだ。 

そんなある日の事 
姉が震えるか細い声で、病床から兄に向かって言った。 
「お水・・・ちょう・・・だい・・・」 
それに対して兄は顔を顰めて 
「やーだよ。ボクはこれから遊びに行くんだから

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