ブーンは歩くようです #2

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2009-06-20

http://moemoe.mydns.jp/view.php/17130のつづき


第四部 奉られた遺物と、神殺しに挑んだ男の話


― 1 ―

青空の下。流れる雲を見上げながら、僕は河に沿って赤土の平地を歩いていた。
旅に慣れ始めた体。進む足取りは軽く、僕は千年後の世界をのんびり眺めながら西を目指しさすらいを続ける。

今歩いているのはかつての北米大陸の中心部。
グレートプレーンズと呼ばれていた大穀倉地帯は赤土の下に沈み、今は乾いた平原に姿を変えている。
おそらくは、ユーラシアから放たれた核ミサイルがこの近辺で幾度となく迎撃され、
この地方に壊滅的な打撃を与えたのだろう。そして放射能汚染は当面の間続き、今の殺風景な姿を作り上げた。

すでに意識としては消えてしまっていた内藤ホライゾンの記憶を辿りながら、僕はそんなことを考えたりもした。



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