第4幕:2日目の幕開け、記憶の幕開け
2007-07-08
…あれ?
……俺は何でこんな所に立っているんだ?
………確か高松に居たんじゃなかったっけ?
…………じゃあ何で周りはこんなに山が深いんだ?
………………………………………
自分は今、明らかに高松とは違うところにいる。
目を擦る。目を凝らす。
今、俺は森の中の遊歩道らしき所に立っているようだ。頭上には広葉樹が鬱蒼と生い茂り、
日光が届かないぶん空気が冷んやりとしている。風が吹くと木々の枝が揺れ、森全体がざわつく。
………まったく今の状況がつかめない。
こんな木立の中に居たのでは、周りの状況が掴めないし、ただぼんやりと突っ立ってても
仕方が無い。
俺は前に向かって歩き出す。
さくさく。さくさく。