好きだった福田さん

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2011-08-12

時は昭和。まだ携帯電話もパソコンもなかった頃の話。
ボクは中2。
自宅の居間の古いラジオからさだまさしの関白宣言が流れていた。

まだ残暑が残る季節。
ある日の放課後、美術部に所属していたボクは学園祭に飾る油絵を描いていた。

2日後に学園祭が迫っている。
まだ7割程度の完成度の絵を仕上げるためボクは必死だった。
思うように進まず、ナイフで絵の具の上に絵の具を重ねて行った。

気がつくといつの間にか美術室にはボクひとり。
外は真っ暗になっていて、時計の針は午後の8時を指そうとしていた。

「いけね、帰ろ。」
あわててキャンバスや絵の具を片付け、帰る支度を始めた時
後ろから人の声がした。

「ねえ、帰る?」
振り向くと福田さんがいた。
エクボがとても可愛い子でボクはずっと想いをよせていた。
でもなかなか自分の気持ちを伝え

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