ルパン
2007-07-19
281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/16(月) 14:20:49
窓からの光が、室内の塵に反射して瞬く。無機質で、どこか寒々しい病室。
そこに、ルパンがいた。
薄水色の病院服の上に赤いジャケットを羽織り、ベッドの上に腰掛けていた。
大きく息を吐くと、銭型は病室へと足を踏み入れた。ルパンを、逮捕するために。
捕まえる? この今にも死にそうな病人を?
長年夢見てきた事だというのに、銭型にとってそれは既に無価値だった。
「よく来たなぁ、とっつぁん」
人を食ったような態度でルパンが声をかける。
掠れきった声、扱けた頬、体中に繋がれたチューブは心電図へと繋がっている。
かつての面影は、ほとんど残っていない。
そこにいるのは、死を目前に控えた一人の病人だった。
「ルパン、何で