妹・裕子
2012-08-20
俺には3歳下の裕子と言う妹が居る。共働きの両親との4人家族だ。
物心付いた頃から母親も働きだした為、俺たち兄妹は互いに助け合いながら、仲良く暮らして来た。それは今でも変わらない。もっぱら食事の支度は妹の方が美味いので、俺は洗濯と掃除を代わりにやっている。
小さい頃から裕子は俺の事を「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と、何時も後を付いて来て、好いてくれていたので、中学になるまで一緒に風呂も入り、たまに一緒の布団で寝たりもしていた。
そんな仲の良い関係であったが、妹が中学に進級した頃から、自然と風呂にも入らなくなり、一緒に寝る事も無くなっていった…様に、思わせる感じで俺から妹を避けていた。
だからと言って仲が悪くなったわけではなく、やはりたとえ妹とはいえ、年頃の女の子とはそれなりの距離をとったほうが良いとも思ったし、それぞれの生活時間が違い始めたのも正直あったためである。
そんな感じになっていた俺たちが一つに結ばれたのは今から6年前の夏の事だった。
あの日の事は昨日の様に今でも鮮明に覚えている。
当時、俺は20歳の大学生、