涙のあとに
2006-12-29
答えを知ってて問いかけた
どうして私を捨てるのと うんこは小さく呟いた
うんこは最後に口づける 意地悪に身をからませて
肛門の『さよなら』と動いた唇に 『ありがとう』と微笑んだ
うんこは水面へ捨てられた 飛沫も届かぬその場所へ
うんこは崩れて沈みゆく
うんこの流した涙すら 深い底へと消えてゆく
遠く見上げた肛門に 叶わぬ願いを押し殺し
これでいいのと微笑んだ
肛門は最後の別れの口づけをためらいがちに拭いさり
その香りも温もりも忘れる様にと言い聞かす