竹林の女

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 そのお宅には大きな竹林があって車を降りた私はヒールを運動靴に履き替え歩いていくことにしました。
 竹ノ内弘子20歳です。
 保険の外交だった母に進められこの春から始めた保険の勧誘。
 事務所の所長だった母は早速私にこんな仕事の話をしたんです。
 「実は北久慈村にね、お得意さんがいるの。利夫さんっていってね」
 『き、来た!枕の話?』
 「なーに顔赤らめてんの。あたし枕なんてしてねーよ」
 『えっ?何でわかるのさ。あっ!さすが、親子ってこと?』
 「利夫さん、60歳近くなって肺炎で2週間入院。昨日退院して自宅にいるって」
 
 竹林の小径を歩いていると軽トラックが停まっているのが見えました。
 と突然背後から男の人の声がしました。
 「何だね、あんた」
 「はい。〇〇生命の竹ノ内弘子です」
 「来てくれたのかね。わざわざこんなところへ」
 「はい。母にいわれまして」
 私は肩で息をして


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