行きつけの飲み屋のママ

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親分肌でお人好しの伯父貴は、現場の帰りによく近所の店でおごってくれた。
伯父貴は名前を虎吉といって元はプレハブの職人。
僕は学校が休みの間、アルバイトで仕事を手伝っていた。
その店は、「とみ子」というカウンターだけの小さい小料理屋で、
ママさんは美人とは言えないけど、家庭的でどことなくお色気もあった。
伯父貴はそのママさん目当てで毎日のように通っていた。

たいてい十時頃になってくると、僕を邪魔者あつかいして
「明日も早いぞ、そろそろ帰って寝ろ」
「伯父貴は?」
「俺はまだ飲んでくよ、とみ子、酒!」
「やめてよ虎さん、あたしたち出来てるみたいじゃない」
「へへへへ・・」
そうやってニヤニヤしながら何時までも飲みつづけている。
たぶん追い出されるまで帰らないんだと思う。

伯父貴はママの話になるといつも鼻の下が伸びてくる。
「へへへ、じつはな、俺とママは出来てんだよ」
「本当?いつから?」


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