私の喘ぎ声はアクション映画の銃声でかき消された
2016-11-02
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「一緒にご飯を食べよう」って約束していた女友達から、「残業で遅くなるから」とドタキャンされ、せっかくの金曜日にすぐに家に帰るのも悲しいからって、そのまま私は街をブラつくことにした。
すると、ふと目に留まった映画館。
アクション映画が上映されてるらしい。
普段はあんまり見ないアクション物だけど、なんとなく観てみることにした。
映画館に入ってみると、とても混雑していた。
すでに映画は始まっているようで、立ち見の人を掻い潜って空いた席を探すのも難しそうだったから、私は背伸びをしながら、そのまま立ち見をしていた。
目の前にほんの少し隙間があって、そっと腕を伸ばして手すりを掴んだら、そこにいた男の人がちらっと私を見て、空間を作ってくれた。
「ありがとうございます」
私は小さな声で言って、手すりの前に立った。
どんどん人が増えてきて後ろから押されてしまい、手すりが私の胸の下に当たって痛かったけど、それでも背の低い私にとっては、立見席の沢山の人の間から映画を観ること