27話⑤
2007-03-08
新たな欲求を持ったものの、それ以上の発展はないまま時がたち
季節は冬となった。
冬になり背中掻きは寒さが厳しく行えなくなってきていた。
当時ストーブは居間にしかなかった為、自分の部屋も妹の部屋も寒く
とても素肌を外気にさらせる状態ではなかった。
何度となく行われてきた背中掻きも「掻きっこ」と呼ぶようになり、
当初の目的から離れ、単なるじゃれ合いになっていた。
それでも、胸には偶然を装って触れるくらいで、
鷲掴むや故意に触れたりなんて事は出来ないでいた。
妹もこのじゃれ合いは好きなようで、向うから仕掛けてくる事もあった。
しかし、二人っきりの時しか行えない事は雰囲気から悟っていたようで
お互い決して人前でじゃれる事はなかった。
妹としても「掻きっこ」が出来なくなった事に不