<福島第1原発>最前線の復旧作業員 多くは「被災者」

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2011-06-06

 福島第1原発事故の復旧作業にあたる作業員の多くは地元・
福島県浜通り地方の出身だ。大半は住み慣れた家を追われ、
津波で肉親が行方不明のままの人もいる。
「被災者」が過酷な「最前線」に立たされるという矛盾の中、
作業員たちの抱える思いは複雑だ。

 40代の作業員男性は自宅も勤務先の下請け会社も警戒
区域内。避難所から仕事に出る時は子供たちに「悪いやつらを
片付けてくっから」と声をかける。4歳の長男は「頑張って」と
無邪気に答える。

 15年近く原発で働いてきたが、今回は想像以上に過酷
だった。防護服の中を汗がとめどなく流れ、マスクはすぐ曇り、
ゴムで締め付けられた頭がぎりぎり痛む。原子炉の隣、暗く
湿ったタービン建屋内で余震に襲われ、恐怖で鼓動が
高まった。

 妻や両親は猛反対した。「将来どんな症状が出るか分から
ない」。
 4月下旬、「辞

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