元彼女との再会
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それは本当に偶然に起こった。世間は広いようで狭いものだ。俺が大学時代付き合っていた彼女、典子は俺より1歳年下だった。大学時代の3年間付き合っていた。それも俺にとっては今から思えば一番性欲の強い時であり、
それを満たすには十分だった。決して美人ではなかったが、惚れた弱みというのか、尽くすタイプと言っていいのか、次々にいろんなことを受け入れてくれた。そんな彼女が俺が買い物をしている目先5mのところに男性といた。たぶん旦那のようだった。別れてもう30年位まえであったが決して見間違うこともなかった。少しして俺に気が付いた。眼があったのは3分間位だったろうか。それから3分ほどして俺は自分の車を停めてある駐車場にゆっくり歩いて行った。時々振り返るとかなり後ろからついてきているようだ。車の傍ではっきり俺が車に乗るのを見ているはずだと確認してから、車に乗り、じっと待っていた。それから俺はバックミラーとルームミラーで彼女がちかずいてくるのを確認した。小さくドアがノックされた。さっとドアを開けるとすぐに助手席のシートを倒し、車を動かした。駐車場をでてからシートを起こし、やっと一言「ずいぶんとひさしぶりだね」と。