好敵手物語
2007-06-06
“参加”目指し、耐えた1年
夏休みに入ったばかりのがらんとした午後の職員室。
柿生西(現・麻生総合)の近藤勇太(当時2年)と沢海拓(同1年)は、
鵜飼正志監督(36)の呼び出しを受けた。
「これからも(野球を)続けるのか」
並んだ二人に短く問いかけた。
真っ黒に日焼けした二つの顔が黙ってうなずいた。
昨年夏、2人だけの野球部がスタートした。
同校は、昨夏の大会で初戦敗退。
チームから3年生が引退し、部員は近藤、沢海の2人だけとなった。
来春まで2人だけでやれるのか、
耐えた先に新入生は入部するだろうか、
近藤の不安は尽きなかった。
7月末、2人で横浜スタジアムで夏の大会の準決勝、決勝を見た。
緑映える人工芝、スタンドにこだまする大声援……。
”夏のひのき舞台”はまぶしかった。
夏の県大会が終