ヨメカリの伝統が続く漁村の跡取りの僕は
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「え? それって、何かの冗談で言ってるの?」
恋人の真央が、意味がわからないという顔で僕を見つめている。無理もないと思う。話をしている僕自身が、あまりにも荒唐無稽な話をしている自覚がある。
真央は、25歳のOLだ。小柄で可愛らしく、自慢の彼女だ。クリクリした目はパッチリとした二重まぶたで、その長いまつげはより真央を美少女に見せている。
性格もとにかく明るく前向きで、一緒にいて本当に楽しい。
「もしかして、私と結婚したくないからそんなこと言ってるの?」
真央は、泣きそうな顔で話してくる。僕は、そんなことはないと否定しながらも、そう思われても仕方ないなと思っていた……。
僕は、ド田舎の漁村の跡取り息子だ。今は社会勉強という名目で、東京の大手水産加工メーカーで働いている。僕の実家の取引先の会社で、僕は半ばお客さんみたいな扱いで働いていた。
僕のオヤジの代で、会社はかなり大きくなった。水産加工会社との取引を積極的にすることで、工場を増やしていった。
そんな会社の跡取りなので、僕はとても恵まれて