さや 〜四の回〜
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沙耶はコーヒーを口にする。
すっかり冷めた飲み物だ。
俺は正座をしている。
そんな俺を沙耶は仁王立ちで見下ろしていた。
「ねえ、こーくん」
「ごめん、としか言えない」
「一時の気の迷いだよね?」
言葉選びに悩む。
こんな劣勢、親からも受けたことはない。でもすべては俺のせい。重々承知している。
「黙ってたってわかんないんだけど……?」
強気な沙耶はあのレンズの向こうで無垢に動く少女とはちがう。恐怖でしかない存在だ。
「ケーサツ呼ぶ?」
「いや、ま、まま、待ってくれ! それは……」
「じゃあ話せるよね?」
沙耶は地べたにぺたりと腰を下ろす。
目線が重なった。笑顔はない。俺には恐怖がある。
「……ねえ、こーくん。あたしの裸見て、なにがうれしいの?」
すげえ質問。
だが答えない。答えられないが正しい。なんせ声が出ないんだから。
「それってさ、最低なことだよ。相手の同意なく裸にして、