跡形も残らない夜空 vol.2
2008-09-07
跡形も残らない夜空 vol.1
http://moemoe.mydns.jp/view.php/13668
だが夕方から、また体調が悪くなってきたようだ。周りの音は聞こえにくいし、モニターもかすんで見える。なかば朦朧としながら、なんとか作業を進めていた。
「K君?」
紗恵さんの声で、はっと我に返る。紗恵さんとM美が俺の顔を怪訝そうに見ていた。
「あ、はい。なんですか?」
「さっきから呼んでるのに……どうしたの?」
「仕事に熱中してたんですよ」
冗談交じりに言ったが、紗恵さんは笑わなかった。
「ちょっと……ごめんね」
紗恵さんが手を伸ばし、俺の額に触れた。紗恵さんの手はひんやりしていた。
「ええッ、すごい熱じゃない!」
紗恵さんは驚いた声を上げる。M美も俺の首筋に手を触れる。
「うわ、ありえないし!」
「いや、大丈夫ですから」
「大丈夫じゃないわよ、どうして黙って