俺の妹があやせのわけがない
2011-09-20
「え?」
普段なら一家団欒の場である、
夕飯のリビング。
しかし、この団欒場に響いた親父の一言で、
俺たちの空気は壊れた。
隣に座る桐乃の箸が、音を立てて床に落ち、
当ても無く転がっていく。
「きゅ、急にそんな冗談言うから、箸落としちゃったじゃん。
あぁ、もう。洗わないと――」
「俺が冗談を言っているように見えるか?」
親父は、ただ静かに目を瞑ってそう言った。
立ち上がって箸を拾おうとしていた桐乃が、
拾うのを止め、親父を睨む。
「っざっけんな!! それこそ冗談じゃないわよ!!」
桐乃はそう怒鳴って、2階へと駆け上がっていった。
残された俺を、お袋の心配そうな目が見つめる。
「親父、冗談じゃな