女性教師による男子生徒に体罰
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「みんな、ちょっと注目してくれる!いいものを見せてあげるわ」
担任の女教師、優美子が言った。
放課後の、西日がさす教室の一場面である。その日、掃除当番 に当たっていた、われわれの班五人と、意味もなく教室で雑談していた六~七人の女子生徒だけが、 そのとき、その場所にいた。
女教師の優美子につづいて・・・・・・というよりも、むしろ彼女に引きたてられるようにして、 教室の中へ入ってきたのは、隣のクラスの男子生徒二人。いずれも素行にやや問題のある腕白小僧 として、学年全体に顔を知られる存在だった。
その二人が、今日はやけに落ち着きがない。いや、落ち着かないのはいつものことだが、妙に 緊張している。顔色が、白い。話す言葉が、せかせかとしている。そんな季節ではないというのに、 全身に汗をかいている。
おれたち五年三組の生徒は、その二人が、またなにかとんでもない悪さをしでかして、罰を受ける のだと直感した。だがそれにしても、なぜ彼らはこの教室へわざわざ連れて来られたのだろう? 優美子先生の言う、「いいもの」とはいったい何なのか?その場に居合わせた