アートトラック愛好家の憂鬱

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これは二十年ほど前の体験談です。

当時の私は全国各地を回る大型トラックの運転手をしていました。
東北の田舎町で荷降ろしした後、国道沿いのコンビニに車を停めて仮眠していました。
夜中に誰かがトラックのドアをとノックする音で目を覚ましました。
ドアを開けると上下グレーのダボダボジャージを着た女の子が立っていました。
何事か私が聞くと、「すいません、東京まで乗せていってもらえませんか?」と女の子は言ってきました。
見た感じ十代前半の女の子、大きなバッグを持っているのを見て“家出少女”だと思いました。

私のトラックのナンバーを見て「東京に行く」と思って声をかけたのだと女の子は言いました。
当時、若かった私は特に深く考えもせずOKしてしまいました。
1人きりで運転するだけの毎日に飽きていたし、誰かに頼りにされるのは悪い気分がしなかったからです。

後部のキャビンに乗せてやると女の子はろくに話もせずにすぐ横になって寝てしまいました。
私も運転席のシートを倒して横になりまし


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