淫獣の餌食たち・・1

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 僕が「淫獣」と形容した、男の名前は木村公二といいます。
 木村は僕よりは六つ年上の三十四歳です。
 ほんの二か月ほど前までは会ったこともなく、当然顔も知らなかった男です。
 二か月ほど前のある日、木村は僕の母の早智子に連れられて家にやってきました。
 その時が僕と木村の最初の出会いです。
 木村という男を母が家に連れてくるということについては、その数日前に母から僕と
姉の優子に改まっての話がありました。
 母の早智子は市内のそれほど大きくはない老人ホームにもう施設長として長く勤め
ていて、年齢は五十三歳です。
 七年前に離婚していて、以来、狭い市営住宅での、僕と姉との三人暮らしでした。
 僕と二つ違いの姉は優子といって、商業高校を卒業してからずっと同じ運送会社の
事務員として勤めていますが、まだ結婚はしていません。
 母からの改まっての話というのは、今交際している男性がいるとのことでした。
 まだ半年ぐらいの交際期間だという


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