ある鬼の記録 美緒の場合
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俺は会社をリストラされ、かなりやけになっていた。
「それなりに真面目にやってきた。その挙句がこのざまだ。」
昼間から町をうろうろするなんてサラリーマン時代には想像もしなかったことだが、俺は自分の将来そのままにあてどなくふらついていた。
・・いや、正確に言えばあてはないが「ねらい」はあった。
こうなったら何かやらかして警察に捕まってしまった方が楽かもしれない。
何をやるか・・思いついたのは「夢見ていた行為」の実現だった。
「もう、こわいものなんてないからな、やりたいことをやりたいように・・やってやる。」
俺は、俺の欲望の生贄になる哀れな少女を探してふらついていた。
ふと見ると、一軒の家にランドセルをしょった人影が入っていくのが見えた。
様子をうかがっていると、ポケットから鍵を取り出して開け始めた。
「・・あれでいいか・・」
俺は後ろから忍び寄って、背後から少女の口をふさぎ持っていたナイフを背中に突きつけた。
「・・黙って、中に入れ・・」