コロンビアのルイス・ガラバードと可哀想な孤児のミゲル少年にダニエル少年..①

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「やっと教会のパンをもらってきたよ」
「ありがとう」
内戦で荒廃したコロンビアの中都市の貧民街で12才のダニエル少年は一抱えのパンを横たわるミゲル少年に渡します。
2人は同じ年の戦争孤児で、当時のコロンビアは、内戦や異常なインフレで生活が破綻し、住民はほとんど難民になり、親を失った子どもたちは毎日教会や慈善団体の恵みで命をつないでいました。

やっと起き上がったミゲル少年は嬉しそうにパンを食べ始めました。

「君たちは孤児かい?」
体格の良い行商人風の中年男が声を掛けます。
「孤児?まあね」
「こっちの子は熱があるんじゃないか?大丈夫かい?」
「おじさん、誰?」
「わしかい?マリアさまのお守りやロザリオを売っている行商人だよ」
「この子ミゲルだよ、ちょっと風邪をひいているんだ」
「君は?」
「僕はダニエル、ダニーでいいよ」
「そうか、ダニー、ミゲル君は薬が必要だな、これだけ顔色が赤いと風邪がひどくなって肺炎にでもなったら


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