たった1.5メートル

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2010-01-16

1995年1月16日に戻りたい。 
当時21の私と倫子はその日ちょっとしたことで喧嘩をしてしまった。 
明らかに私が悪い理由で。 
普段なら隣同士で寝るのにこの日はひとつの部屋で少し離れて寝た。 

17日の朝、大きな揺れがあった。あまりに大きな揺れにあわてている間にすごい音と共に屋根などが崩れてきた。 
運良く私も倫子も無事だった。しかしお互いを確認するのは声だけだった。 
二人の間には大きな瓦礫の壁があった。 
私は窓の近い側だったので、隣近所の方が瓦礫を少しどけてくれて、自力で出ることができた。 
私は倫子を助けるために近所の方と合わせて4人で瓦礫をどけようと必死だった。 
倫子は、「真っ暗で怖いけど、私は大丈夫だから」と叫んでいた。 

1時間か2時間か、時計もなく分からなかったが、ある程度作業が進んだ。 
これ

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