シンナーをもらいたい一心

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2009-10-30

父は中学の教師でした。 
教師とはいえ定時には家に帰ってくるし、 
カメラや車の修理などの趣味のほうが熱心な、うだつの上がらない風の教師でした。 
定年退職した後「もう働きたくない」と、昼ぐらいに起きてきて趣味三昧! 

そのころは毎日、車の塗装に精を出し、近所中にシンナーのにおいを充満させてました。 
そこに目をつけた近所のシンナー中毒の不良ども。 
ある日「車の修理したいからシンナー分けて下さい」ってやってきました。 
あんなのシンナー欲しいからに決まってる~。とっとと追い返せばいいのに!! 
と、やさしく対応する父をばかじゃないの?と思いつつ影から見てました。 

「そうか、そうか!」と、昔の生徒が来たのでうれしそうに丁寧に対応する父。 
不良たちを応接間に案内して、とても優しく修理や塗装の仕方を馬鹿丁寧に語ってました。 

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