屈辱
2007-06-28
「ドスーン!!」
圧し掛かるように倒れこんできた篠山(彼は柔道部の主将だった)の体重が私を押し潰した。
抵抗もむなしく組み敷かれながらも、私の思考回路は冷静で、なぜか天井の染みを見つけていた。
クラスの男子全員の視線を感じていたが、肌けた胸元を直すこともできない。
女子の間で一番人気のある高杉君ですら、「いけー!」などと声を出し、篠山の味方をしているようだった。
また、パシリでいじめられっこだった藤田のニヤついた目つきと、耳元で聞かされた篠山の荒い鼻息は一生忘れることができないくらい気持ち悪かった。
「早く終わればそれでいい…」
私の心の弱い部分はこの屈辱の時間が短いほうが良いと判断し、抵抗の力を弱めた。