稲川淳二インタビュー2
2010-09-09
── 今回も怪談についていろいろお聞かせいただきたいのですが、
もともと日本のそういう怪談文化というのは東洋の島国だから発生したと思われますか?
稲川:「ところがね、中国にもあるんですよ。
"牡丹灯籠" なんてもともと中国から来たもの。
でも日本でそういう文化が花開いたのはやっぱり島国の持つ感性なのかな。
というのもね、中国は椅子の文化でしょう。畳じゃない。
日本の畳を歩くすり足の音、それが近づいてくる感覚、
畳で寝る感覚ってやはり独特でしょう。
畳文化があるのは日本だけよ。そして一番わかりやすいのは屋敷の部屋。
今日は集まりがあるというと各部屋の襖をすべてとっぱらってひとつの大きな広間にできますよね。
で、襖をつけて閉めるとまた小さい部屋がいくつもできる。
これってすばらしい文化なんですよ。
その襖に耳をあてると隣の部屋の音が聞こえます。
病人が寝ているとその吐息まできちんと聞こえる。