キャバ嬢を愛して9

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2009-11-07

京香さんとの密会も今日で5回を数える。
「密会」というほど、疚しいことも特別なことも、なにもないただの呑みなのだが、いまのところ、唯一、千佳には話していない事柄である以上、やはり「密会」という呼び名がふさわしいように思える。

最初は京香さんはヤケ気味に俺を口説いたり弄んだりしたいのかとも思った。
しかし、回数を重ねても、そんな素振りは見せることはない。
本当に「ガス抜き」がしたい、それだけなのだろう。
だとしたら、こうやって京香さんと呑むのは悪くない。
いや、俺にとって京香さんの話は勉強になることが多いし、気分転換にもなるし、むしろ「いいこと」だとすら思っている。
……だが、そろそろ「密会」というスタイルにだけはケリをつけなくてはならないだろう。
平田のことが話題に上る今日は、そのいいチャンスだった。

「『春菜』ちゃんにフラれたっていうのに、妙に明るかったんですよ、平田くん」
京香さんはわりと近い席で接客しながら、その様子を見守っていたの

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