籠女(かごめ)
2011-02-16
籠女、籠女。籠の中の鳥は、いついつ、出やる?
夜明けの晩に、鶴と亀がつぅべった。後ろの正面、だぁれ?
僕は彼女の瞳を見て、衝撃を受けた。
いや、つまらない表現はやめよう。素直に言う。
僕は彼女を犯して犯して、壊したいほどに彼女に惚れてしまった。
いや、壊したくなんかない。壊れないで欲しい。
だが、壊してしまいそうなほどに惚れたのだ。
格子の向こうで少女がうつむく。
仕事仲間に誘われて、毎夜通う、舞や踊りの吉原遊郭も、今となってしまっては、僕の心に刺さるのは彼女の瞳と泣き声だけ。
少女おすずは暗い表情だった。これでは売れない。
酒を呑み、舞を眺め、踊りをはやして、一番下手だった少女に折檻をした。
その下手な女がおすずだったから、折檻したのかもしれない。
他の艶女ならば、女として、人として、僕は愛してあげられたのに、おすずのつぶらな瞳はいつでも逃げたいと訴えて