マンションの父と娘

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 「おとうさん」
 トンと言われたことがなかったというか、7年ぶりの実の娘との再会だった。
 ノースリーブに黒のチノパンという軽装だったが、見覚えのある籐椅子に後ろ向きで腰掛ける娘の腰から足にかけてのラインには少しの胸騒ぎを覚えた。
 
 「これが最後かもしれないからチューしよう」
 ばちん。
 中学生になったばかりの娘の平手打ち。
 「私はお父さんの着せ替え人形じゃないんだからね」
 紺のセーラー服に三つ編みだった。
 「おとうさんてさあ、私のセーラー服姿が好きでさあ。泣いたりするんだよ」
 マンション10階の踊り場で、たまたまお隣の同級生のたまちゃんと娘との会話。
 理解のある娘だとは思っていた。

 「おとうさん」
 立ち上がった娘は、着ていたものを脱ぎ始めた。
 
 ハーフパンツに白Tとこれまた軽装だった。
 


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