借金をカラダで帳消しにしようとする女
2015-04-17
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同期入社の美希から、昼休みに呼び出された。
第三会議室、二人きり。
美希は唐突に「お願い。お金貸して」と私を拝んできた。
聞けば、数日前、出会い頭に車をぶつけてしまい、相手の男から55万円の修理費見積もりを突き出されたそうだ。
美希とは知らぬ仲ではない。
入社7年。
同期同士の仲良しグループから始まって、二人で飲みに行ったこともある。
正直、好きになりかけたこともある。
だが彼女は別の男を選び、私たちは疎遠になっていた。
1年ほど前にその男と別れたという噂も聞いたが、再び傷つくのが嫌で私は距離を保っていた。
そして、いきなりの借金の申し出。
金はある。
あるが、貸していいものか。
正直迷った。
美希「本当、頼める人がいないの。30万お願い」
潤んだ目が切実さを醸し出す。
頼ってもらえるという優位性が心をくすぐる。
もし、これが縁でまた美希との距離が近くなると