祖国を憶う心根を

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2010-02-05

遠い南の島に、日本の歌を歌う老人がいた。 
「あそこでみんな死んでいったんだ・・・」 
沖に浮かぶ島を指差しながら、老人はつぶやいた。太平洋戦争のとき、 
その島には日本軍が進駐し陣地が作られた。 
老人は村の若者達と共にその作業に参加した。日本兵とは仲良くなって、 
日本の歌を一緒に歌ったりしたという。 
やがて戦況は日本に不利となり、いつ米軍が上陸してもおかしくない状況になった。 
仲間達と話し合った彼は代表数人と共に日本の守備隊長のもとを訪れた。 
自分達も一緒に戦わせて欲しい、と。 
それを聞くなり隊長は激高し叫んだという 
「帝国軍人が、貴様ら土人と一緒に戦えるか!」 
日本人は仲間だと思っていたのに…みせかけだったのか裏切られた想いで、 
みな悔し涙を流した… 
船に乗って島を去る日 日本

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