赤い眼

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赤い眼

第1章
彬は平凡な高校生だった。小学生の時に母をなくしてはいたが、父、大学生の姉、そして中学生の双子の弟と妹といっしょに比較的幸せに暮らしていた。2年前から付き合っている彼女のもいた。彼女の名前はさやかといった。まだ体の関係はないが、すごく仲の良い心の通じ合える彼女だった。

そう、思っていた。

その日の放課後、彬はさやかとデートをしていた。夜の塾までの空いてる短い時間に、二人はよくこうやってデートをしていた。ウインドウショッピングをしたり、喫茶店に入ってたわいもないをしたりと、初々しいデートだった。

そのとき、さやかの携帯にメールが入った。さやかは何気なく携帯を開き、メールを見る。一瞬、さやかの顔がひきつったように見えた。が、次の瞬間にはいつもの朗らかなさやかの顔に戻っていた。

「ごっめーん、お母さんに買い物頼まれてるの忘れてた。催促のメールきちゃった」

顔の前で両手を合わせ、片目を瞑り、小さな舌を出しながらさやかが謝る。彬は少し違和感を感じながらも
「なんだよー、仕方がないなぁ」


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